遺言書には三種類あります
相続はある人が死亡した瞬間より発生する法的効果です。
特に遺言書を用意していない場合であっても死亡が確認された瞬間から相続に関する効果は発生するものと定められているのですが、民法上の規程とは別に遺言書が存在していたときにはその内容に従った相続がされるものとなっています。
遺言書には三種類がありますので、手続きを実行するときにはそれぞれの種類に従って行うようにしていきましょう。
まず遺言書の種類についてですが、「自筆遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」として区別されています。
このうちもっとも注意が必要なのが「自筆遺言」で、まず亡くなった人がそれを作成しているかどうかを身辺整理しながら確認していきます。
他の「秘密証書遺言」や「公正証書遺言」は個人本人だけでなく証人となる人がいて始めて作成できるものとなっているので、亡くなったという通知を行うことで自然に存在が発覚するのが通常です。
「自筆遺言」の場合はその内容全文を本人が作成するもので、民法上に定められるいくつかの規程に従って必要な事項が記載されているかどうかによりどこまでの範囲を適用するかが変わってきます。
適正な「自筆遺言」はどういうものかについては民法第968条からを参考にしてもらえばわかりますが、もしその規程に反するような記載がされていた場合には、例え本人が作成したとわかる遺言書でも無効として取り扱われてしまうこともあります。
ただしそれが適用されるかどうかについては家族など相続に関わる人たちで判断してよい問題ではなく、とりあえずその存在がわかったらできるだけそのままの状態で家庭裁判所に持ち込み、判定をしてもらうことになります。
遺言書を発見しても焦らないことが重要
遺言書が発見されるとやはり少しでも早く内容を確認したいというのが人の心ではありますが、焦ってその場で開封をしてしまうと、5万円以下の過料を科せられてしまうほか、そのために改ざんされた可能性があるとして内容が無効になってしまうこともあります。
ほとんどの「自筆遺言」は生前には家族には伝えにくかったことが記載されているものなので、どのような内容であっても開封をしたという事実があると開封した人が改ざんした可能性があると不利益な取扱を受ける場合があります。
「秘密証書遺言」や「公正証書遺言」も、死亡が確認されたところで始めて開封をして内容が執行されることになっています。
もし生前に遺言書を作成しておきたいという場合には、その存在を明らかにしておくとともに、急な死亡にもきちんと対応ができるようにあらかじめ連絡体制を整えておくようにしておきましょう。