相続税の改正
あまり広く知られていることではありませんが、2014年4月から導入された消費税増税の陰にかくれて、相続税の改正も進められていました。
もともと相続税についてはさまざまな問題点が指摘されており、相続が発生したことで財産を大幅に損なってしまうことになったというような「相続貧乏」のような事例も都心部を中心に発生していたりします。
しかも今回の改正では、現在までの5000万円と法定相続人1人あたり1000万円のという相続税の基礎控除額が引き下げられ、それぞれ3000万円と法定相続人1人あたり600万円が相続税基礎控除となることになっており、それまでは課税対象でなかったような人も一気に課税の義務が発生してしまうことになります。
ですので、将来相続が発生することがわかっている人などは、早めにそのための対策をとっていくことが今以上に大切になってきます。
なおこの相続税の改正は2015年1月1日からの施行となっています。
困ったら専門家へ相談しましょう
相続税対策としてはまず最も勧められるのがプロへの相談です。
相続税の専門家としては「受託者」となる信託業務を行う機関があります。
こちらでは相続税対策となるような遺言書のさくせい方法を提案するとともに、現金資産となっている部分の生前からの運用方法を提案してくれます。
遺言書は自力でも作成することは可能ですが、死後きちんと想定通りに分割がされるためにはきちんと正式の手続きをしていくことが必要になります。
また遺言について詳しくない相続人が取扱を間違えて無効になってしまうこともあるので、適切な運用のためにはやはり「公正証書遺言」として死後確実に実行される手段を選んでおいた方が無難です。
とはいえいつ亡くなるかは誰にもわかりませんし、いくら相続税対策としても生前にすべての財産を未来の相続人に譲ってしまっては残りの人生を生活していくための資金が危うくなってしまうこともあります。
そこでおすすめをしたいのが信託銀行などで死亡まで資金を運用してくれるという方法です。
こちらは現在の資産を銀行などの金融機関が一括して受け取り、運用をしながら必要な分だけを年金のように払いこむという方式になっています。
この場合死亡しても本人名義の現金ではなく指定した相続人の財産となっているので、相続税が発生することなく残りの資金を受け取ることができるようになっています。