相続の期限=相続税の支払期限
亡くなった人の財産を受け継ぐのが相続ですが、これは財産の贈与に当たりますので、相続税と呼ばれる税金の申告と支払いの義務があります。
申告と支払いの期限は
被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。
(国税庁のホームページより引用)
つまり、1月29日に亡くなった人の財産を相続する場合は、11月30日までに相続税を支払わなければいけないので、それに間に合うように相続を済ませる必要があります。
相続人が2人以上いる場合は話し合いが必要ですから、話し合いがまとまらず何カ月も長引いてしまったら、困ったことになります。
10カ月をこえると大損をする!?
というのは相続税を10カ月以内に納めないと、納税額が増大するからです相続税の負担を軽くするために、政府は特例などの優遇制度を設けています。
このなかでも最も負担が大きいのが、自宅などの不動産を受け継ぐ場合です。
今住んでいる自宅を相続する場合は、自宅の敷地330平方メートルまでを80%減額するという特例が設けられています。
例えば330平米の自宅の評価額が2,000万円だった場合、この80%の1,600万円分の税金が減額され、残り400万円分だけの相続税を支払えばいいのです。
しかし10カ月をこえてしまうと、2,000万円分すべてに税金がかかりますから、支払額が何倍にも増えてしまいます。
配偶者特例を見逃すな
また、これとは別に、配偶者の相続税を減税する特例も利用できます。
この特例は、亡くなった人の配偶者が相続した財産のうち、1億6,000万円までが非課税になるというものです。
つまり、亡くなった人が妻に残した財産が5,000万円であれば、相続税を支払う義務は発生しません。
これらの特例を受けるためには、10カ月までに財産の分配についての話し合いを終えておく必要があるのです。
2015年から税制が変わりました
また、2015年からは相続税の基礎控除の改正など細かな変更があり、これまでとは税制が異なるので注意が必要です。
例えば親の財産を相続するときに気をつけたいのが、課税対象額の引き下げです。
今までは6,000万円以下の相続なら課税対象にはならなかったのですが、2015年からは3,600万円以上の相続があれば相続税の課税対象となり、税金を支払う必要が出てきました。
遺産の相続がこじれるのは、財産をいかに公平に分配するかという問題で親族間での同意が得られない上に、これに相続税が絡んでくることで、さらに話が複雑になるからです。
特に、相続税の申告に関する期限は、大きな分岐点となります。
話し合いがこじれると解決までに時間がかかりますから、申告期限に間に合うように、相続に関する話し合いを一日でも早く進めることが大切です。
また、相続でもめないためにも、事前にある程度の準備と心構えをしておく必要があります。